研究概要 |
平成21年度には、計画の最終目標である沖縄ツーリズム(1)IO(産業連関表)、(2)SAM(社会会計行列)、(3)CGE(応用一般均衡)、の各モデルを作成しました。各モデルは、先行研究と異なりツーリズムを産業部門として分離しました。これで、ツーリズム需要の波及効果だけでなく、産業特性の分析が可能となりました。平成21年度は、モデルを用いた「影響力・感応度分析」を行いましたが、平成22年度は、実測可能な直接CO_2排出量を基に把握可能な、中間投入原材料、半製品に付随するCO_2排出量の把握も可能にした、内包型CO_2排出原単位・量を把握しました。同排出原単位が把握できれば、最終需要の増減で派生するCO_2排出、つまりカーボン・フットプリント(CF)が把握できます。研究過程で、「内包型CO_2排出の状況からみた沖縄県のツーリズムの環境負荷-産業連関法によるツーリズムの環境負荷の検証(その1)-」、「沖縄県のツーリズムのカーボン・フットプリント(CF)」の2編の論文を執筆、前者は学会誌(査読中)、後者は掲載済です,しかし、ツーリズムの分離方法は、日本型TSAの確定を待たなければならないため、モデルの構築はそれ以上進めず、平成22年度には、前年度の実績報告書で申請した、行動分析に基づいた組織活性化の予備調査を年度末に実施する予定でした。しかし、東日本大震災による計画の延長に伴い、調査協力機関とも相談し、計画を再考、平成22年度末に、より精緻な予備調査を行いました。具体的には、当初予定の高橋(1997)他を参考にした「組織コミットメント」に加え、戸田(2003)他を参考にした職歴と現職の「マッチング効果」を測る質問項目を加え実施しました。調査結果の分析を通じ、調査票を直交表ベースに変え、平成23年度以降の同テーマでの研究につなげたいと思います。
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