研究課題/領域番号 |
20530253
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
高瀬 浩一 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (50289518)
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キーワード | 経済発展 / 開発援助 |
研究概要 |
今年度は最終年の前年の活動として、幅広い研究結果の1部を複数の論文としてまとめ、複数の学会や大学で発表を行った。例えば、福岡大学のセミナー(日本語>や九州大学のワークショップ(英語)では「開発援助の動学モデルによる効率的配分」について、そして、西南学院大学のセミナー(日本語)では「狩猟・採取経済から農業経済への移行」について研究発表を行った。また、開発・応用経済学に関するカンファレンス(京都大学)やゲーム理論応用(メカニズム・デザイン)に関するカンファレンス(早稲田大学)において、研究発表(英語)を行った。もちろん、昨年度同様、日本の開発援助(ODA)支出データの更新を行った。今年度より、それらのデータを基に、日本の援助配分と日本の経済活動との関係について共同研究プロジェクトを開始した。具体的には、日本の二国間ODAデータと日本の二国間貿易データから、日本の各受入国に対する開発援助の動機を推定しようとする研究である。現在、日本の主要ODA受入国(中国やインド)に焦点を絞り、セクター別貿易データや、日本からの直接投資データを加えた分析の方向性を検討中である。最後に、昨年度から引き続き、地方自治体による開発援助を含む広い意味での海外協力支出のデータ収集を進めた。情報公開度の高い群馬県については、基礎的なデータ収集・構築を昨年度完成させ、それらをDAC基準のODAパネルデータとして再構成する作業を終えつつある状態である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理論的な分析は学術論文の形まで完成している。計量的な分析は基本的なデータ収集に一定レベルまで到達し、現在、それらを基に計量分析を進める段階である。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度なので、日本の受入国・セクター別ODAのパネルデータを用いた統計・計量分析を実施し、結果を学術論文にまとめ上げる。ただし、例年通り、データ構築・整理のためのアシスタント業務や開発経済学以外の専門家の助言が必要となる。貿易や直接投資、あるいは、メカニズム・デザインを専門とする国内外の研究者と共著を前提に論文を執筆する。まず、国内の学会(日本経済学会など)や研究機関(大学など)で発表し、細部を煮詰めたあとで、海外の学会(American Ecomomic Association Annual Meetingなど)で発表する。その後、その論文を学術雑誌に投稿する。
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