• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

中国の労働移動と労働市場に関する調査研究ーー中中国経済はルイスの転換点を超えたか

研究課題

研究課題/領域番号 20530258
研究機関桃山学院大学

研究代表者

厳 善平  桃山学院大学, 経済学部, 教授 (00248056)

キーワード上海市 / 珠江デルタ / 出稼ぎ労働者 / 労働市場 / 賃金 / ネットワーク / 権利保障 / 帰郷
研究概要

(1) 珠江データ、上海市で働く出稼ぎ労働者を対象としたアンケート調査のマイクロ・データを解析し、大都市労働市場の構造変化とそのメカニズムを実証的に分析した。その成果を学術論文にまとめて発表している。
(2) 江西省など中部農村で農家調査を継続し、農家人口および農村労働力の利用状況に関する基礎データを蓄積している。こうした一次データ、および、農業センサスの集計データを用いて、農家の人口変動と農村労働力の構造転換を明らかにしつつある。
(3) 『中国農民工の調査研究--上海市・珠江デルタにおける農民工の就業・賃金・暮らし』(晃洋書房1を上梓した。過去10年間で集めた膨大なマイクロ・データを整理、分析し、農民工の就業、賃金、暮らしの実態を浮き彫りにしている。これらの実証分析を通じて、農民工と戸籍住民による新型二重構造の変容を解明している。
一連の大規模なアンケート調査から得た一次データと、人口センサス、農業センサス等から得た二次データを駆使し、中国経済における労働需給の変化をダイナミックに捉えることができた。
大都市、沿海部で起こっている人手不足の現象は、現存制度の欠陥に起因した部分が大きく、中国経済がすでにルイスの転換点を超えたとの見方は正しいとはいえないと結論付けた。
本研究の成果から、中国経済における構造調整の方向性や、日本企業の対中ビジネス戦略を考える上で重要な政策的インプリケーションが得られている。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 上海市就業調査にみる二重労働市場の変容2011

    • 著者名/発表者名
      厳善平
    • 雑誌名

      桃山学院大学総合研究所紀要

      巻: 第36巻第2号 ページ: 1-17

  • [雑誌論文] 農民工子弟の教育政策と民工学校の実態--上海市の事例分析を中心に2010

    • 著者名/発表者名
      厳善平
    • 雑誌名

      東亜(霞山会)

      ページ: 22-31

  • [雑誌論文] 中国における人口転換と経済発展--無制限的労働供給の終焉にどう立ち向かうか2010

    • 著者名/発表者名
      厳善平
    • 雑誌名

      AJECレポート(北陸環日本海経済交流促進協議会)

      ページ: 51-58

  • [雑誌論文] 中国における農村貧困削減の取り組みと成果2010

    • 著者名/発表者名
      厳善平
    • 雑誌名

      中国研究月報

      ページ: 1-13

    • 査読あり
  • [学会発表] 中国・珠江デルタにおける雇用と賃金に関する実証分析2010

    • 著者名/発表者名
      厳善平
    • 学会等名
      中国経済学会全国大会自由論題報告
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      2010-06-19
  • [図書] 城市化与区域経済発展研究(中国語)(加藤弘之・呉柏均主編)(中国農村人口与労働力的結構転換)2011

    • 著者名/発表者名
      厳善平
    • 総ページ数
      267-282
    • 出版者
      華東理工大学出版社
  • [図書] 中国農民工の調査研究--上海市・珠江デルタにおける農民工の就業・賃金・暮らし2010

    • 著者名/発表者名
      厳善平
    • 総ページ数
      281
    • 出版者
      晃洋書房
  • [図書] 歴史的視野からみた現代中国経済(中兼和津次編)(第3章 20世紀中国における地域間人口移動)2010

    • 著者名/発表者名
      厳善平
    • 総ページ数
      77-109
    • 出版者
      ミネルヴァ書房

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi