本研究は、近年高等教育財政に導入されている業績連動型の運営費交付金について、その仕組みと効果を経済学の視点から分析するものである。具体的にはOECD主要国における予算制度改革と高等教育財政における改革動向をサーベイし、我が国の国立大学法人の運営費交付金の各大学への配分状況についての実証分析を行うとともに、業績連動型運営費交付金を導入した場合の効果を分析する。 本研究は、主に次の3つの部分から構成され、それぞれの20年度の実績は以下のとおりである。 (1)諸外国における大学の運営費交付金の配分方法の比較分析:アメリカ、イギリス、オーストラリアの3ヶ国について分析 (2)我が国の運営費交付金や評価制度に関する分析:一般交付金の歴史的経緯や大学評価制度の分析、データの収集、先行研究のサーベイなどを実施 (3)我が国の運営費交付金について新たな配分ルールの検討:各大学の決算データから教育費及び研究費を推計し、学生数、教員数、成果指標などを配分ルールの基準とした場合(業績連動型交付金)の各大学法人への交付金配分額を推計し、現行との増減を分析
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