研究概要 |
近年の法制度環境変化に伴って生じた企業行動が,企業価値へ及ぼした影響の検証として,以下の3点について実証分析を行った.(1)会社法施行を契機に導入が始まった買収防衛策について,導入が始まった2005年の場合,導入がその後の業績悪化のシグナルになっていることを明らかにした.(2)新たなエクイティ・ファイナンス手法であるMSCBが,資本構成改善の有用なツールとなっている可能性を確認した.(3)倒産法改正の影響の一つとして,効率的な企業再建を考えるため,債権放棄後の再破綻の可能性を検証し,メインバンクの特性が影響を及ぼすこと(不良債権比率が高いと再破綻可能性が低くなること)を確認した.
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