研究課題/領域番号 |
20530287
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
植田 宏文 同志社大学, 商学部, 教授 (00268111)
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研究分担者 |
藤原 秀夫 同志社大学, 商学部, 教授 (10104613)
丸茂 俊彦 同志社大学, 商学部, 教授 (00291419)
五百旗頭 真吾 同志社大学, 商学部, 准教授 (30411060)
林田 秀樹 同志社大学, 人文科学研究所, 准教授 (70268118)
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キーワード | 市場型間接金融 / 金融不安定性 / 資金循環 / マクロ経済政策 / 資本移動 / サブプライム / 証券化 / リスク管理 |
研究概要 |
2006年のサブプライムローン問題の発生後、世界的に経済活動が収縮し、その打開策として各国では金融監督改革および新たな金融政策手段の構築が活発に議論されている。こうした中で、本部門研究会では、資産の証券化を通じた市場型間接金融の拡大等に代表される金融システムの変革が、どのような経路を通じて経済の成長に資するのか、さらにその問題点は何かについて理論・実証的に明らかにすることを目的として分析を行った。主要な研究成果は以下の通りである。 1.金融システムの破綻を回避する上でその重要性が強調されている市場型間接金融の問題を直接金融および間接金融の概念から遡ってまとめ、証券化に代表される市場型間接金融の功罪について明らかにした。 2.銀行の貸出行動、企業の資金調達行動、投資家の資産選択行動に焦点を当て、どのような条件下で国民所得と安定した金融指標が決まるかを理論・実証的に考察し、直接金融化が進む近年になるほどクレジット・ビューが成立する傾向にあることを示した。 3.資産担保証券市場で「情報を持たないトレーダー」の数が増えると、ある条件の下で、銀行が流動化するローン債権の質(真のファンダメンタル価値)が悪化することを明らかにした。 4.アメリカにおける市場型間接金融市場(証券化市場)の拡大は、世界の投資家にとって投資可能な市場型アメリカ金融商品の増加をもたらし、同国への資本流入拡大ひいてはグローバル・インバランス拡大の下地を形成し、国際金融市場に新らたな不安定要素を生じさせていることを明らかにした。
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