[具体的内容](1)フリースタンディング・カンパニーの受入れ国および事業として英領マラヤのゴム・プランテージョン事業を中心に、フリースタンディング・カンパニーの機能およびフリースタンディング・カンパニーとイギリス商社との関係に開する情報が得られる会社内部資料および経営史関連資料の収集をおこなった[平成21年度研究計画の第1課題の遂行]。(2)フリースタンディング・カンパニーの機能およびフリースタンディング・カンパニーとイギリス商社との関係を明らかにすることを目的に、収集した資料の検討・分析をおこない[平成21年度研究計画の第2課題の遂行]、投稿論文を執筆中である(仮題「フリースタンディング・カンパニー論-英領マラヤのゴム・プランテーション会社を中心に」)[平成21年度研究計画の第3課題の遂行]。 [意義・重要性](1)収集した資料は、会社設立の目論見書、会社の会計原簿、イギリス商社によるゴム・プランテーション会社の株式所有比率その他の多くの貴重な情報を含む会社の内部資料である。これらの資料を用いることによって、フリースタンディング・カンパニー論の論争点が検証でき、検証によってフリースタンディング・カンパニー像が精緻化される。(2)資料検討の結果、英領マラヤのゴム・プランテーション会社に限れば、フリースタンディング・カンパニーは3種類に分類できると考えられる。(3)資料検討の結果、ゴム・プランテーション会社に対するイギリス商社の役割について新たな事実発見があった。既存研究では、ゴム・プランテーション会社設立時にプロモーターの役割を遂行したことだけが強調されてきた。その点でさえ具体的な実証を伴う説明ではなかった。資料検討の結果、具体的なプロモーター名、具体的なその報酬、プロモーターの役割以外に設立当初イギリス商社が担っていた別の役割などが明らかになった。
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