世界資本主義の形成は、二つの段階をへて成立した。まず、19世紀に英国の工業製品が世界市場に輸出され、各地域に工業技術が伝播した。そうすると、西ヨーロッパと北米地域において英国工業製品に対抗する形で、資本主義的な国民経済が形成された。しかし、この国民経済に立脚した資本主義は相互に対抗的な措置をとったので、両大戦間期に世界経済全体の発展は停滞した。つぎに、第二次大戦後になって、IMF・GAT等の制度によって障壁の少ない世界市場が形成され、地域ごとの異なる条件を活用した多様な資本主義の成立が可能になった。これが、20世紀後半に世界資本主義が持続的に発展して要因である。
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