研究概要 |
1.2010年9月に農村史国際学会(Rural History 2010)で口頭発表した論文を拡大・改訂した論文(タイトノレは"Granting Timber from the Lords' Forests:Another Aspect of Gutsherrschaft in Brandenburg-Prussia from 1650 to 1850")を米国の学術誌Agricultural Historyに投稿し、査読の結果、条件付でアクセプトされた。 2.ブランデンブルク州中央文書館で、プロイセン農業改革期における放牧地・採草地の所有・利用関係の整理に関わる史料(Rep.2A,IIIDに分類されるもの)を、アムト・アルトールピンのケースについて収集し、分析を進めた。この過程においてプロイセン国家当局の森林保護の観点が貫徹しているとの感触を得、併せて森林を専門に扱った史料群(Rep.2A,IIIF)の調査にも着手しはじめた。 3.2011年11月に立教大学で開催された「西洋史研究会大会」の比較農村史のシンポジウムで、「『ヨーロッパ史』のなかの近世ブランデンブルク農村」と題する口頭報告を行い、ヨーロッパ史を展望した大きなコンテクストのなかに本研究で得た知見を盛り込んだ。 4.2012年3月の歴史学研究会総合部会において、「領主・君主.国家の森林に対する農民の権利-近世・近代移行期のプロイセンと日本-」というタイトルの報告を行い、農村近代化(土地所有の近代化)の日普比較という本研究の一目的について、最初の業績を発表した。この報告は、近く『歴史学研究』に活字でも発表される。
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