本研究では、19世紀前半のプロイセン農業改革について、ブランデンブルク州ポツダム県の一行政区アムト・アルト-ルピンAmt Alt-Ruppinを事例とし、「ミクロ歴史分析」を行う。同地の農業改革に関わる史料を集中的・体系的に分析することで、農業改革にともなう土地所有・利用関係の変化および関係当事者たちのそれへの対応を、従来の「マクロ」の研究よりも多面的かつ詳細に描写し、プロイセン農村の近代化のありようを再検討したい。また、かつて日本の農村近代化の経路はプロイセン農村のそれ(プロシア型)と同系列に属すると捉えられがちであったが、この理解の当否を、上記の実証研究を踏まえて再検討したい。
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