国内の調査については、以下の通りの活動を行なった。 群馬県安中市や高崎市、前橋市において、野田六左衛門家の史料調査を実施した。 松居久左衛門家については、史料調査を行なうとともに、同家の純資産蓄積過程と経営理念に関する論文を執筆中である。 中井正治右衛門家については、滋賀大学附属史料館において、史料撮影に従事した。 矢尾喜兵衛家については、江戸期と明治期の酒造業を中心に、秩父地方の史料を調査し整理中である。 国外の調査については、カナダとヴェトナムについて実施した。滋賀県民が日系移民の最多数を構成するカナダでは、日系移民のビジネス通じての定着過程を調査するなかで、太平洋戦争中の家族集団疎開運動の実態を発掘し、論文にまとめた。ヴェトナムでは、朱印船貿易の拠点であったホイアンにおいて、日本人街と日本人墓地の墓碑銘を調査した。 これらの調査・分析で得た知見を中心に、「近江商人に学ぶ-現代ビジネスの原点」と題する社会人対象の講義を群馬・彦根・大阪でおこなった。
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