研究概要 |
平成20年度の研究実績は次の通りである。 1.調査対象企業の選定:調査対象企業として,地元近隣の2つの市にある小規模または中規模の製造企業12社を選定し,調査協力への同意を得た。 2.調査対象企業への予備調査:平成21年度に実施する実態調査の準備として,選定した調査対象企業12社を訪問し,調査目的の説明と予備調査を実施した。予備調査では,調査対象企業の生産品目,組織体制,業務プロセス,近年の課題などの概要把握を行った。 3.解析技術習得:ネットワーク分析のセミナーを受講し,調査結果の解析に不可欠な解析技術を習得した。 4.研究環境整備:パソコン・システムと統計解析ソフトウェア・総合的数式処理ソフトウェアを調達し,調査結果解析のための環境整備を実施した。 5.研究成果の公表:なし。 6.予備調査で得られた知見:製造企業の品質競争力に強い影響を及ぼす要因として,従業員の雇用形態や非正規雇用比率という形式的要因の他に,従業員の業務内容の企画と業務環境の整備などの実践的要因が重要であるとの仮説を得た。雇用形態の正規,非正規の別を問わず,従業員の業務実践に直接機能する企業内コミュニケーションの的確な実態把握と有効な改善策の確実な実行が経済危機に直面した品質経営に緊要の課題である。次年度は,実態調査を実施して,仮説の検証を行う。
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