研究概要 |
平成21年度は,前年度に同意を得た地元2市の中・小規模製造企業12社を対象に実態調査を実施した。 1. アンケート調査のデザイン:前年度第1次予備調査に基づき,今年度調査の方法と調査項目を設計した。 2. アンケート調査票の制作:調査対象者別に5種類のアンケート調査票を制作した。 3. アンケート調査依頼と第2次予備調査:12社を訪問し,調査の目的と方法を説明して10社からアンケート調査実施協力を得,同時に経営状況の変化や生産現場が抱えている課題などの概要を把握した。 4. アンケート調査の実施と概要報告書作成:《企業内コミュニケーションと品質力に関するアンケート》を実施し,10社(94名)から回答を得た。調査結果を集計分析し,その概要報告書を調査対象企業に配布した。 5. 調査対象企業への調査結果フィードバックと第3次予備調査:調査対象企業各社を訪問して調査結果を説明し,次年度調査の準備として,今回の調査内容に対する意見収集を行った。 6. 研究成果の公表:図書『情報品質の研究』(関口恭毅編著,2009年,中央経済社)に,「第9章コミュニケーションと情報品質」(pp.194-218)を執筆した。 7. アンケート調査と予備調査で得られた知見:次の2つの仮説を得た。(1)品質競争力向上に寄与する企業内コミュニケーションのパターンは唯一無二ではなく,企業の規模や成長段階に応じてダイナミックに変化する。(2)雇用形態の正規,非正規の別を問わず,従業員の業務実践に直接機能する企業内コミュニケーションの活性化を図るためには,従業員自らの創意工夫を促すように業務環境を整備することが重要である。
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