研究概要 |
この研究の目的は、企業と企業の間の取引関係、株式所有関係、役員派遣関係、共同特許関係のような機能の異なる複数関係=多重社会ネットワーク、あるいは役員と企業(2モード)、研究機関と特許と科学者(3モード)のような次元が2種類以上の多モード社会ネットワークを組み込んだ複雑な企業ネットワーク複合体を解析するための分析手法を開発し、開発した技法に基づき日本の企業間ネットワークの分析を行うことである。 今年度の目標であった各種の企業ネットワークデータのデータベースの整備は個々のデータ先の都合であまり進展しなかったが、メンバーが開催している研究会の輪読により、適用可能な探り、研究協力者の渡辺の開発したネットワーク自己相関分析の方法がわれわれの課題に答えるものであることが判明し、その応用に関する準備を始めた。 井上が数多くの研究を特許ネットワークを中心に行い、内外の学会で精力的に発表している。今年度の出版には至らなかったが、編者に相馬、収録論文に井上の加わったEconophysics and Companies : Statistical Life and Death in Complex Business Networks, H.Aoyama, Y.Fujiwara, Y.Ikeda, H.Iyetomi, W.Souma, H.Yoshikawaが、Cambridge University Pressより2010年8月出版されるが、これは今年度の成果に依拠している。金光は日本の代表的マネジメント雑誌である『一橋マネジメントレビュー』にこの研究の成果に基づいた論文を投稿している。
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