研究課題/領域番号 |
20530330
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
小川 千里 近畿大学, 経営学部, 准教授 (90340760)
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研究分担者 |
高橋 潔 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (90298555)
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キーワード | キャリア・トランジション / 内的キャリア / キャリア支援 / カウンセリング / アスリート / キャリア発達 / 競技引退 / サッカー |
研究概要 |
本研究の主要な目的は、プロスポーツ選手の現役引退に伴っておこるキャリア上の諸問題を経営学的、心理学的視点から明らかにし、第二の職業人生に対する望ましい支援の方法について検討していくことである。本年度実施を予定していたステップは、(1)文献調査、分析モデルの洗練、初期分析および事例の選定、(2)インタビュー調査と分析、(4)成果の取りまとめと公表を随時行うこと、である。そして、その通りに遂行された。 引退後に起こりうるプロスポーツ選手の心理的諸問題について、主に元Jリーガーに対するインタビュー・データに基づき分析した。そして、「現役時代」から獲得される要因が引退後の「内的キャリア」の違いを生じさせていること、役割喪失を受け止めていくために望ましい支援の特徴について内容を取りまとめた。これらは、2008年7月にドイツのベルリンにて開催された世界心理学会(International Congress of Psychology)と、2008年11月の経営行動科学学会(中部大学)において報告した。ここで得られた議論に基づく修正と、今年度実施したインタビュー調査による結果を踏まえ、2009年6月の世界スポーツ心理学会(The 12^<th> World Congress of Sports Psychology)で報告が決まっている(タイトル;The Importance of Dual Support Systems for Japanese Top Athletes in Career Transitions)。また、これらの内容について書籍出版の準備を進行中である。 (2)については、引退前の動向として「現役選手(Jリーガー、プロ野球選手)」の傾向についても入手困難なインタビュー調査資料を確認できる機会を持ち、予定以上の成果を得て国内外での多数の成果発表につながった。そのため、(3)質問票調査の準備は来年度以降の実施を検討したい。
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