研究課題/領域番号 |
20530334
|
研究機関 | 独立行政法人大学評価・学位授与機構 |
研究代表者 |
田中 弥生 独立行政法人大学評価・学位授与機構, 評価研究部, 准教授 (50372404)
|
研究分担者 |
武田 晴人 東京大学, 経済学研究科, 教授 (20126113)
山内 直人 大阪大学, 国際公共政策研究科, 教授 (90243146)
|
キーワード | NPO / 非営利組織 / 評価基準 / 社会変革性 / 市民性 / 組織安定性 / 財務的持続性 / 収入多様性 |
研究概要 |
1.評価基準の作成 非営利組織の評価基準を作成した。NPO、NGO実践者6名と研究者3名による「非営利組織評価基準検討会」を結成し、1回数時間、12回にわたる議論を重ねた。先行研究および代表的な非営利組織論をもとに、社会的イノベーション力をもち、なおかつ信頼性の高い非営利組織像を200字ほどに定義した。そして、評価基準をしたが、まず「基本条件」「評価の視点」「主たる構成要素」「要素にかかる条件」といら評価基準構造を設計した。その上で、先の定義に基づき「社会変革性」「市民性」「組織安定性」という3つの基本条件を設定し、評価基準構造に沿って、実践者の視点から議論を重ねた。そして研究者がこれらの議論のエッセンスを抽出し、汎用性をもたせるべく再定義する。この定義を検討会メンバーで基準として合意を形成するという作業を積み重ねた。これらの内容は合計35の「エクセレントNPO基準」としてまとめられた。 なお、本基準については、日本NPO学会全国大会および、2010年4月には記者会見を開催し発表した。 2.アンケート調査「NPOの社会変革の役割に関する調査」 アンケート調査については、先の基準にもとづき「NPOの社会変革の役割に関する調査」票を作成した。そして、2000件のNPOに対して調査票を送付、回収した。基本的な集計を行ったが、このうちの一部は「エクセレントNPO」記者発表資料として発表した。この内容はNPOの信頼性にかかる実態と課題が初めて明らかになった点であり、日経新聞、朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、東京新聞において本アンケート結果が掲載された。 3.NPOの財務データ分析 財務データ分析については、非営利組織が財務的持続性にたどり着く経路を共分散構造分関によって、また、組織の発展プロセスと収入構造の関係性について探るべくパネルデータ分析を行った。これらは論文としてまとめ学術誌に投稿した。また、日本評価学会、日本NPO学会の大会で発表した。
|