• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 研究成果報告書

社会的イノベーション力促進のためのアセスメント・ツール開発~非営利組織を題材に~

研究課題

  • PDF
研究課題/領域番号 20530334
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 経営学
研究機関独立行政法人大学評価・学位授与機構

研究代表者

田中 弥生  独立行政法人大学評価・学位授与機構, 評価研究部, 准教授 (50372404)

研究分担者 武田 晴人  東京大学, 経済学研究科, 教授 (20126113)
山内 直人  大阪大学, 国際公共政策研究科, 教授 (90243146)
連携研究者 三好 皓一  立命館アジア太平洋大学, アジア太平洋学部, 教授 (60369147)
高橋 淑郎  日本大学, 商学部, 教授 (00211342)
西出 優子  東北大学, 経済学研究科, 教授 (60451506)
研究期間 (年度) 2008 – 2010
キーワード非営利組織 / 評価手法 / 社会変革性 / 市民性 / 組織安定性
研究概要

非営利組織には、営利組織の利潤に匹敵するような業績判断基準が不在であること、それゆえに非営利組織の経営が困難であることを最初に指摘したのはP.F.ドラッカーであった。たしかに、評価の不在が、非効率な行動を招き、成長の機会を逃している。そこで、ドラッカーの非営利組織論の原点に立ち返りながら「社会変革性」「市民性」「組織安定性」の3つの基本条件を軸に、非営利組織の評価基準を作成した。
まず、NPOセクターの現状分析を行なうべく、定量・定性的な分析を行なった。財務データベースをつくり、財政的な持続性にかかる財源の種類など要因分析を行なった。その結果、非営利組織の場合には、収益事業収入に加え、寄付や会費などを組み合わせたほうが財務的な持続性が高いことがわかった。
またアンケート調査を実施した。その結果、社会変革の担い手になりたいという願望を持ちながらも組織体制や技術面で不十分なこと、さらには、社会的な信頼性が低く、市民との関係性がより希薄になっていることがわかった。
次に、研究者および実践者によるチームを編成し、先の現状分析結果を踏まえ、社会的なイノベーション力を備えた望ましい非営利組織像に到達するためには、どのような条件を満たすことが求められるのか議論した。そして、評価基準策定工程をデザインし、先の議論からエッセンスを抽出し、33の評価基準にまとめた。また、33基準を満たしていることを確認するための105の自己チェック項目もデザインした。
これらの研究成果は、6本の研究論文、4冊の図書にまとめられ、5回の学会発表、8回の講演で発表された。なお、研究成果を非営利組織が活用できるよう、これらの基準とチェック項目を「エクセレントNPO基準」と名付け、2冊のブックレットにまとめた。
さらに、フォーラム、講演などで説明を行ったが、5大紙、雑誌などで取り上げられた。また、2011年1月には本評価基準を普及すべく、推進母体として「エクセレントNPOをめざそう市民会議」を発足させた。

  • 研究成果

    (15件)

すべて 2011 2010 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (4件) 図書 (4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 財務指標から捉えた民間非営利組織の評価-持続性の要因を探る-2011

    • 著者名/発表者名
      田中弥生・馬場英朗・渋井進
    • 雑誌名

      ノンプロフィット・レビュー Vol.10, No.2

      ページ: 111-121

    • 査読あり
  • [雑誌論文] パネルデータにみるNPOのキャッシュフロー構築プロセス2011

    • 著者名/発表者名
      田中弥生・奥山尚子
    • 雑誌名

      大阪大学経済学 第60巻第4号

      ページ: 65-83

    • 査読あり
  • [雑誌論文] エクセレントNPO基準~課題解決としての評価~2011

    • 著者名/発表者名
      田中弥生
    • 雑誌名

      日本評価研究 第11巻1号(印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 新しい公共と認定NPO法人制度-パブリック・サポート・テストは寄付文化を促進するか-2010

    • 著者名/発表者名
      田中弥生・馬場英朗
    • 雑誌名

      非営利法人研究学会誌 第14号(印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 日本のNPOセクターの政策における評価の意義~市民社会の再構築をめざして~2008

    • 著者名/発表者名
      田中弥生, et al
    • 雑誌名

      日本評価研究 第8巻3号

      ページ: 3-12

    • 査読あり
  • [雑誌論文] NPOの持続性と課題~財務データベースの分析から考える~2008

    • 著者名/発表者名
      田中弥生, et al
    • 雑誌名

      ノンプロフィット・レビュー 第8号第1巻

      ページ: 33-47

    • 査読あり
  • [学会発表] エクセレントNPOとは何か2010

    • 著者名/発表者名
      田中弥生、武田晴人, 山内直人, ほか
    • 学会等名
      日本NPO学会全国大会
    • 発表場所
      立命館大学
    • 年月日
      20100000
  • [学会発表] NPO法制にみる国家的支援の現状と課題2010

    • 著者名/発表者名
      田中弥生
    • 学会等名
      2010年日本法哲学学会
    • 発表場所
      西南学院大学
    • 年月日
      2010-11-21
  • [学会発表] 公共をめぐる葛藤~官と民との狭間で~2010

    • 著者名/発表者名
      田中弥生
    • 学会等名
      ポスト構造改革における市場と社会の新たな秩序形成科学研究費補助金・学術創生研究費平成19-23年度京都大学主催
    • 発表場所
      法政大学
    • 年月日
      2010-06-27
  • [学会発表] 民間非営利組織の評価~財務分析と組織評価にみる持続性と刷新性~2009

    • 著者名/発表者名
      田中弥生、山内直人, ほか
    • 学会等名
      日本NPO学会全国大会
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      20090300
  • [図書] 政府はなぜボランタリズムを萎縮させたのか2011

    • 著者名/発表者名
      田中弥生
    • 総ページ数
      400
    • 出版者
      明石書店(近刊予定で制作中)
  • [図書] 「エクセレントNPO」とは何か言論NPO2010

    • 総ページ数
      113
    • 出版者
      非営利組織評価基準検討会
  • [図書] 「エクセレントNPO」の評価基準言論NPO2010

    • 総ページ数
      112
    • 出版者
      エクセレントNPOをめざそう市民会議
  • [図書] NPO新時代~市民性創造のために~2008

    • 著者名/発表者名
      田中弥生
    • 総ページ数
      269
    • 出版者
      明石書店
  • [備考] ホームページ等「エクセレントNPOをめざそう市民会議」ホームページ。こちらに評価の考え方、評価基準、記述フォーマットなどが掲載されている。

    • URL

      http://www.excellent-npo.net/

URL: 

公開日: 2012-01-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi