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2008 年度 実績報告書

行為論的経営資源アプローチの形成

研究課題

研究課題/領域番号 20530338
研究機関一橋大学

研究代表者

沼上 幹  一橋大学, 大学院・商学研究科, 教授 (80208280)

キーワードリソース・ベースト・ビュー / 見えざる資産のダイナミクス / 社会的相互作用 / 暗黙知 / 知識創造 / 経営戦略論 / 学説史
研究概要

平成20年度は,リソース・ベースト・ビューの生成期に重要なインパクトを及ぼしたと考えられる日本人研究者2名の業績を国際的な経営戦略論の流れの中に位置づける作業を行なった.ここでいう日本人研究者2名というのは,伊丹敬之と野中郁次郎である.伊丹の業績は「見えざる資産」への注目として,また野中の業績は「暗黙知」への注目として,それぞれ国際的なリソース・ベースト・ビューの生成に貢献していく.しかしながら,「見えざる資産」への注目というのは2つの意味がありうる.すなわち,見えざる資産があるから他社が模倣できずに超過利潤を得られるのだという議論の基盤という意味と,見えざる資産は組織メンバーの学習の成果として蓄積されるので,やや無理した戦略の追求がダイナミックな成長を可能にするという動学的研究の基礎という意味の2つである.また同様に,「暗黙知」への注目も,他社に移転できない超過利潤の源泉としての暗黙知という意味と,暗黙知がひとつの重要な契機となって学習が促進されるというダイナミックな知識創造プロセスのコアとしての暗黙知という意味の2つがあり得る.国際的なリソース・ベースト・ビューの考え方は,これらの考え方のうち,よりスタティックな前者の位置づけを採用していく.しかし,リソース・ベースト・ビューをダイナミックな社会的相互作用という視点から捉え直すのであれば,伊丹・野中の業績の2つめのとらえ方の方が適切な出発点となるはずである.この点が平成20年度の研究によって整理された知見である.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 日本企業の実証研究とリソース・ベースト・ビュー2008

    • 著者名/発表者名
      沼上幹
    • 雑誌名

      『現代の経営理論』(有斐閣)

      ページ: 21-71

  • [学会発表] 日本企業の実証研究から見たリソース・ベースト・ビュー2008

    • 著者名/発表者名
      沼上幹
    • 学会等名
      組織学会
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      2008-10-19
  • [図書] 現代の経営理論2008

    • 著者名/発表者名
      伊藤秀史, 沼上幹, 田中一弘, 軽部大 編著
    • 総ページ数
      308
    • 出版者
      有斐閣

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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