本研究の目的は、経営学(戦略論・組織論)の中心的な理論になっている「組織能力」と「価値獲得」の関係を、技術経営の視点から理論的・実証的に探究し、学術的・実践的に独自の貢献をすることである。組織能力とは、長年にわたり積み重ねた企業固有の資源・強みである。組織能力が理論的な中心課題になっているにもかかわらず、その中身を詳細に研究した研究はほとんどない。また、価値獲得(価値づくり)のためには顧客価値が重要だが、その点では、「意味的価値」の理論を提案する。本研究では、組織能力の中身とその構築過程、および意味的価値の重要性を明確にし、組織能力の戦略的なマネジメントを実現するための実践的理論を構築する。それによって、世界の経営学における最先端の理論に貢献すると同時に、日本企業が付加価値創造を実現するための示唆を提供する。
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