本年度は組織管理システムのなかでも1職務満足に影響を与える本質的な要因について、その因果経路と本質的な要因について調査した。2患者満足とヘルスコミュニケーションの役割に着目した。 1 について、竹田は、2008年度末までに実施された実証調査について、職務満足の影響要因とともに、医師、看護師など職業による相違に着目し、その影響要因と因果プロセスについて分析した。そこでは、専門職の階層がより上位になるについて、仕事能力を高める環境が職務満足に重要な影響を与えること、階層が低くなるほど人間関係の重要性が増すことが明らかになった。また、九州大学医学部を中心にさまざまな医療スタッフにヒアリングすることで、価値認識や動機などについて研究した。結果については、日本経営学会、ならびに医療・病院管理学会において発表した。 2 について、竹田・松田両名において、既存研究の整理を行うとともに、福岡県、山口県の病院に勤務する看護師を中心としてヒアリングを行った。そこでは、コミュニケーションを積極的に取ろうとする意思に就業動機が強く影響することがわかった。 3 また、本年度の研究のなかで組織コミットメント、およびストレスの重要性が改めて浮き彫りになった。 2009年度の調査において、どのような職務満足が、コミュニケーション意思に影響を与えるのか、さらにどのようなマネジメント施策がこれら一連のプロセスを起動させるかが最終年度の課題として残ることになった。
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