研究課題/領域番号 |
20530345
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
原口 恭彦 広島大学, 社会科学研究科, 准教授 (20343452)
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研究分担者 |
中川 洋子 聖カタリナ大学, 社会福祉学部, 准教授 (70290608)
尼子 華子 県立広島大学, 保健福祉学部, 助手 (20448799)
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キーワード | 組織市民行動 / 統合組織能力 / 職務特性 / 協業関係 / 人的資源管理施策 |
研究概要 |
本年度は、昨年度の理論的検討と先行調査を受けて、対象組織に対して重点的な質的調査を行った。その後、量的調査を行った。 研究課題(1)「統合型組織能力を支える、従業員の組織市民行動の適切な頻度やその方向性の解明」に関しては、昨年度調査を拡張し、我が国の実情に適合するような組織市民行動の次元開発を試みた。調査方法としては質的調査を中心に行った。そこでは、既存研究で確認された「清潔さ」に加え、「自己開発」が多く見られた。さらに、既存研究におけるテイキング・チャージに類する項目が多く挙げられるなど、いくつかの特徴が明らかにされた。 研究課題(2)「組織市民行動を促進するマネジメント施策(組織構造、職務特性、人的資源管理施策)の把握」に関しては、職務特性が組織市民行動にいかなる影響を及ぼしているのかを解明するために、質的調査および量的調査を実施した。その結果、技能多様性が組織市民行動に大きな影響を与えていることが明らかにされた。加えて、自律性や技能多様性も一定の影響を与えていることも確認された。 研究課題(3)「従業員のキャリアが、組織市民行動に与える影響の解明」に関しては、どのような社員が、組織市民行動を活発に行っているのかについて、量的調査を中心に調査を実施した。その結果、性格や勤続年数といった個人的特性に加え、組織における役割知覚やキャリア意識などが影響していることが明らかにされた。一方、職務経歴や移動頻度などはそれほど影響を与えていないことが明らかになった。
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