本研究の目的は、ベンチャー企業が創業期から組織成長するプロセスにおいて、組織メンバーが創業者精神(Founder Entrepreneurship)を(1)どのように理解し、発展させて、また(2)それらを制度などに埋め込むなどの活用をして、結果として(3)その組織特有の組織能力を蓄積させることで、創業者精神の活用が持続的成長にいかに影響を与えているかを解明することである。したがって、本研究はベンチャー創業者のみならず、現在は大企業の経営者やリーダーが創業者精神を活用することで、持続的成長をより可能にすることができるのではないかという命題を明らかにするものである。 21年度は、創業者精神が組織マネジメント上に影響を与える要素の解明を図った。具体的には、論文「企業成長における創業者精神の機能と活用」にて、(1)創業者精神とはどのようなものか、企業家精神と創業者精神の機能は異なる、(2)創業者精神の活用の仕方は企業によって異なっていることを、アンケート調査によって定量的に明らかにした。 本研究の結果は、国際査読誌での発表論文"Hidden Entrepreneurship in the Organization of Japanese Firms-The Dynamics of Founder Entrepreneurship-"で公表した。
|