研究概要 |
2010年度は,SPAのグローバル総流通に関わる文献の収集と整理,国内外のいくつかの企業へのヒアリング,および日本の一般消費者を対象としたアンケートを実施した。国内は東京を中心として視察し,海外はロシア,中国,アメリカ,インドネシアなどを訪問した。もっとも調査費は科研費以外から工面できている。アンケートは2010年度末に実施したため,調査報告書は提出済みであるが,それに基づいた学術論文はこれから執筆する。 アンケートはインターネット調査で,東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県在住の20代女性100人,30代女性100人をサンプルに2010年3月に実施した。その結果,たとえば「明確な知名度」はユニクロや無印良品という日系企業が高く,GAP,H&M,ZARAといった外資系企業が相対的に低いことが分かった。ブランド・イメージは,ユニクロや無印良品が「親しみやすい」,「安心感がある」というのに対し,H&Mは「若々しい」,ZARAは「大人っぽい」という点が突出している。GAPはとりたてて特徴が見当たらない。好感度はいずれも高いものの,「好きではない」という非好感度は外資系ブランドにおいて高かったことは意外である。
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