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2010 年度 実績報告書

境界決定の自律性とワーク・ライフ・バランスへの組織的支援

研究課題

研究課題/領域番号 20530374
研究機関関西大学

研究代表者

森田 雅也  関西大学, 社会学部, 教授 (40247896)

キーワードワーク・ライフ・バランス / 自律性 / 境界決定の自律性 / 制度的支援 / 非制度的支援 / 男性の育児休業
研究概要

平成22年度は、ワーク・ライフ・バランス(WLB)に関する質問票調査の更なる分析を通じて、境界決定の自律性という概念の精緻化とともにWLBの経営学的な意義を明らかにすることに取り組んだ。また、ファミリーフレンドリー表彰企業と企業業績の関係の追求にも取り組み、WLBに取り組むことの戦略的な意義を検討した。
質問票調査の回答(317名)は民間企業が55.8%、自治体組織(官庁)が44.2%であったが、官民別のWLBに関する傾向として次の点が明らかになった。第1に、官民ともに自律的に仕事を進める傾向にあったが、民間企業の方がその程度が大きい。第2に、上司の行動は、総じて、部下がWLBを達成できるように個人的事情も配慮するものとなっているが、この傾向も民間企業の方が強い。第3に、民間企業においては、職場がWLBに対して好意的であるほど、仕事に対しても組織に対しても帰属意識が高い傾向が強く認められる。結果として、民間企業に比べて自治体組織では、WLBのための制度的支援は充実しているが、非制度的支援が不十分であり、組織成員がWLBを達成することを組織の成果につなげることがうまくなされていないことが確認された。また、「チームワーク」や「仕事のより良い進め方をいつも考えている」といったWLBのための積極性は、子供のある人のほうが高く、そのなかでも女性は高かった。これらより、WLBを労働者の満足を高めるだけでなく組織の成果につなげるためには、特に非制度的支援と自律的な行動の許容を拡大し、行動(働き方)を変化させることの重要性が確認された。
なお、ファミリーフレンドリー表彰企業と企業業績の関係からは、WLBに取り組む企業がそうでない同業他社に対して有意な差をもつことは、現時点では確認されなかった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 男性の育児休業取得とワーク・ライフ・バランスー聞き取り調査にもとづいて-2010

    • 著者名/発表者名
      森田雅也
    • 雑誌名

      社会と企業:いま企業に何が問われているか

      巻: 経営学論集80集 ページ: 160-161

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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