研究概要 |
平成20年度の研究は,動的個人統計モデルによるID付きPOSデータを用いた計量分析として行った.ID付きPOSデータとは,総合スーパーやスーパーマーケットで日々蓄積されている番号化された形で個人が特定できる時系列購買データであり,最も集計されていないデータである. 研究は,マイクロ・マーケティングの現象に関連した消費者来店行動の解析をテーマにし研究した.これらの課題は,消費者行動研究の主たる研究分野に位置づけられるものであるが,動的個人モデルを用いた形式で研究はなされていない.今後益々発展を望まれている研究課題であるといえる. 具体的には,消費者の小売店舗への来店行動を解析するための動的個人モデルの提案及び解析事例の提示を行った.モデル化は一般状態空間モデルの枠組みで行い,その状態推定には粒子フィルタ/平滑化のアルゴリズムを用いた.モデルは実際のID付POSデータへ適用し,その有効性の検証を行った.その結果,本稿で提案するモデルが個人の来店行動の解析に適用できることが示された. 当該課題に関しては、学術雑誌に投稿し採録されている.
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