研究概要 |
初年度の取り組みとして,本研究のベースとなるデザインの文化的背景や,製品開発における位置づけ,評価方法等について文献収集とヒアリング調査等を実施した.特に文献が比較的多数存在する家電製品に関して言えば,東アジアにおいてはフォワードエンジニアリング手法をとる日本よりもリバースエンジニアリング手法でデザイン重視の韓国の方がデザインへの注力が強く,グローバルレベルでも高い評価を得ている.中国に関してはデザインキャッチアップが不十分であり,アウトソーシングの比率が高いなど,現段階ではデザインへの戦略が明確な形として出ていない.こうした企業サイドの事情が消費者にどう受け止められているのであろうか.そこで「消費者はデザインをどう捉え,どう評価しているのか」,「デザインが本当に購買に影響しているのか」など,消費者サイドの実態をつかむため,日本,韓国,中国においていくつかのアンケート調査を行っている. さらにその際に,各国の伝統色や文様,デザインなど,文化が息づく素材が製品へどう生かされており,どのようなイメージを形成しているのか.代表性のあるものをピックアップした後,テイストに関してのイメージ分析を実施した.今後はそこから得られたイメージ言語と色や形態等とを関連付けながら,デザインテイストに関する尺度を設定する予定である.
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