研究概要 |
本年度は,昨年度に引き続き,外部組織との連携・協働による活動が推進されている北海道内・外の5つの商店街組織(網走中央商店街振興組合(網走市),中島中央商店街振興組合(室蘭市),緑町商店街振興組合(根室市),麻生商店街振興組合(札幌市),西多賀商店街振興組合(仙台市))を対象に,(1)外部組織との連携・協働の経緯,(2)連携・協働を推進するための商店街組織の運営,(3)連携・協働の成果,問題点・課題,今後の発展方向等について,インタビュー調査を実施した(平成21年4月20日~平成22年3月17日)。この他,北海道商店街振興組合連合会の協力を得て,北海道外の4つの商店街組織(厚木なかちょう大通り商店街振興組合(厚木市),桜新町商店街振興組合(世田谷区),モトスミ・ブレーメン通り商店街振興組合(川崎市),笠寺観音商店街振興組合(名古屋市))における外部組織との連携・協働に関する情報収集等を補足的に実施した(平成21年12月4日~平成22年3月1日)。 その結果,商店街組織におけるソーシャル・キャピタルの形成・展開は,(1)商店街組織における委員会・青年部・女性部の活動,(2)商店街組織の三役会・理事会の活動(以上,商店街組織の組織構造),(3)理事長のリーダーシップ,(4)商店街組織のメンバーのモチベーション,(5)商店街組織のメンバーのミッションの共有の程度(以上,商店街組織の組織行動),(6)商店街組織が連携・協働している外部組織の数,(7)連携・協働の背景・経緯・内容,(8)外部組織との関係性,(9)地域住民の理解・支持・協力の程度(以上,商店街組織と外部組織等との組織間関係)等によって規定されていることが明らかとなった。 そこで,これまでの事例研究から得られた知見に基づき,商店街組織における複合的なソーシャル・キャピタルの形成・展開に関する仮説を構築するとともに,その仮説を検証するために,アンケート調査を実施することとした。これまでに,調査対象先の選定,調査票の設計等を行っており,調査票の発送を近日中に行う予定である。
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