本研究では、公的医療保険を縮小し市場原理を活用することにより総医療費を削減できるかについて、世界20カ国5年・14カ国11年について、パネルデータ分析を行なった。結果は、(1)総医療費(対GDP)比率は、国民皆保険制度がないほど高くなり、公的医療保険支出比率(対総医療費)が小さいほど高くなる(2)総医療費(対GDP)比率は、国民皆保険制度の有無・公的医療保険支出比率(対総医療費)・喫煙率・人口1000人当り医師数・1人当りGDP・乳幼児死亡率・平均寿命・65才以上人口比率等の説明変数で大半を説明できるであった。
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