本研究は、消費者参加型新製品開発プロセスにおける消費者行動と、そのプロセスを通じて開発された製品の成果を理論的・実証的に明らかにすることを目的とする。ここで言う「消費者参加型新製品開発」とは、ウェッブを活用し、企業や消費者、消費者間の創発的なコミュニケーションを通じて、製品開発・テスト・普及が行われる製品開発の手法である。 近年、消費者参加型新製品開発が台頭し開発成果も現れ、先駆的な研究が行われている。だが、理論的・実証的研究があまりなく、未だ研究蓄積も少なく萌芽的な段階である。とりわけ、こうした研究は、その出発点であるユーザー・イノベーション研究を中心に進められているが、ウェッブにおける消費者行動研究などの理論的知見は充分に活かしきれていない。 そこで、本研究では、両分野の理論的知見を融合する理論研究からはじめ、定性的・定量的研究を通じて、消費者参加型新製品開発プロセスにおける消費者行動と開発成果との関係についての概念モデルを構築していく。
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