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2009 年度 実績報告書

支援・補完産業としての卸売業の新たな産業特性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20530397
研究機関甲南大学

研究代表者

西村 順二  甲南大学, 経営学部, 教授 (60198504)

キーワード卸売 / 卸売流通 / 卸売商業 / PB / SPA / 市場
研究概要

卸売流通の動態を説明する枠組みとしての取引運動性概念を構築し、その理論的整合性について、定量分析、定析分析(事例研究及び歴史制度研究)を通して検証し、定式化を行った。そして、この概念に基づき、取引の連鎖としての流通経路、さらには流通機構にまで集計水準を上げて、産業連携のあり方を考察した。その特徴的・代表的な表象形態の一つとして、アパレル産業におけるSPAと大規模小売業者と卸売業者の連携によるPB商品が挙げられる。これらにおける取引様式は、卸売業者が中心的な役割を果たして取引連鎖を可変的・機動的に変化させながら、流通経路としての取引の一貫性をもたらすものと、卸売業者が支援的な役割を果たしながら、大規模小売業者の代理として既存の製造業者との取引連動を高めることによるPB商品開発システムと考えられる。成熟化し、多様性を増し、また今や極めて短期的に変化していく消費行動・消費者に対して、従来のような単独企業組織による対応には限界がある。品揃え次元、機能次元、そしてエリア次元から取引連動性を高める方向において、取引主体が取引関係を変動させ、それによりこれら消費環境変化に動態的に対応できるようになるのである。すなわら、これら個別取引関係の部分最適が全体最適に繋がることを提示した点は、研究の重要な成果であると言える。
そして、この概念により取引主体間の連携の一つの定式化が可能となったと言える。この場合、卸売業者が主体的に取引連動を進めるものと、受動的に進めるものが想定されるが、それに新たな次元としての主事業領域と辺事業領域の区分も想定される。卸売業者にとって、支援産業・補完産業としての卸売業者の在り方は、この主体・受動と言うと、主事業と周辺事業と言う軸の中で位置づけられることが判明したことも、当該年度の大きな研究成果であると言えより。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 規模の制約を超えた組織力醸成への原点回帰2009

    • 著者名/発表者名
      西村順二
    • 雑誌名

      商工金融 59巻5号

      ページ: 1-2

  • [雑誌論文] 製造卸による小売業展開における競争構造の変化-SPAの源流2009

    • 著者名/発表者名
      西村順二
    • 雑誌名

      石井淳蔵・向山雅央編著『小売業の業態革新』中央経済社

      ページ: 257-282

  • [学会発表] 開題 流通・マーケティングにおける市場と組織のゆらぎ2009

    • 著者名/発表者名
      西村順二
    • 学会等名
      日本商業学会関西部会
    • 発表場所
      甲南大学
    • 年月日
      2009-07-18
  • [図書] 小売業革新2010

    • 著者名/発表者名
      高嶋克義・西村順二共編著
    • 総ページ数
      274
    • 出版者
      千倉書房
  • [図書] 卸売流通動態論-中間流通における仕入と販売の取引連動性-2009

    • 著者名/発表者名
      西村順二著
    • 総ページ数
      285
    • 出版者
      千倉書房

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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