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2010 年度 実績報告書

支援・補完産業としての卸売業の新たな産業特性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20530397
研究機関甲南大学

研究代表者

西村 順二  甲南大学, 経営学部, 教授 (60198504)

キーワード卸売 / 卸売業 / 卸売商業 / 流通 / 流通構造 / SPA
研究概要

卸売産業・卸売業をマクロ構造的に分析し、その変動要因を補足することが、当該年度の中心課題であった。まずは、その環境要因への影響を取引連動性概念を用いて、CO2排出量削減の対応として、流通産業全体で取り組むべき取引関係構築に求めた。取引連動性を高めることにより、流通経路全体での物流・商流・情報流の効率性と有効性が高まることが考察された。さらには、CO2排出については、多面的な流通経路全体での対応が必要であることも指摘されている。さらに、流通の経路構造にとどまらず、流通機構全体の変動について考察が進められた。戦後50年の二次データ(物価統計調査報告書、商業統計表、工業統計表など)を用いて、時系列分析が行われている。そこでは、卸売流通構造と小売流通構造の連動関係が考察されている。所謂W/R比率(卸売業販売額/小売業販売額)は、日本の流通機構の整備に伴い、減少する方向で進められ、実際のデータもその現象を示していることが確認された。しかしながら、データの時系列連続比較のための整備や物価調整をおこなったデータに基づくと、この比率はむしろ近年増大してきていることが確認された。従来は、日本型流通機構の非効率性が指摘され、その効率化へ向かう中で卸売業の排除や卸売流通を経由しない流通経路の成長が指摘されてきていたが、本研究ではむしろ卸売流通の役割が、日本の流通機構の発展・成長の過程において、変わらず重要な役割を果たしていることが、近年の流通構造の特性でもあるということである。支援産業・補完産業としての卸売流通という時、小売流通が主であることが暗黙に想定されてきたが、本研究では、卸売流通のポジティブな役割、そして依然として流通の重要な構成要素であることが、確認された。この発見物は従来の流通論に対する挑戦的な命題となる可能性がある。なお、本研究では製造業段階に対する卸売流通の役割については十分なデータ分析が行われてない。PBに関する理論モデル導出にとどまっている。実証分析による検証作業は、今後の大きな課題であることは指摘できるであろう。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] マクロ視点から見た流通構造の変化に関する一考察2010

    • 著者名/発表者名
      西村順二
    • 雑誌名

      経営学の伝統と革新(甲南大学経営学会編)(千倉書房)

      ページ: 305-323

  • [雑誌論文] CO2排出量削減対応とサプライ・チェーン・マネジメント2010

    • 著者名/発表者名
      西村順二
    • 雑誌名

      会計・監査ジャーナル

      巻: Vol.22 No.7 ページ: 119-126

  • [学会発表] 統一テーマ:流通のマクロ視点 流通構造の日本的特徴について2011

    • 著者名/発表者名
      西村順二
    • 学会等名
      日本商業学会関西部会
    • 発表場所
      大阪市立大学文化交流センター
    • 年月日
      2011-01-22
  • [学会発表] 統一テーマ:流通産業の中期展望-流通業の環境変化と成長可能性-2010

    • 著者名/発表者名
      西村順二
    • 学会等名
      日本学術振興会産業構造・中小企業第118委員会夏季ワークショップ
    • 発表場所
      ウエルネスハートピア熱海会議室
    • 年月日
      2010-08-30
  • [図書] 小売業革新2010

    • 著者名/発表者名
      西村順二・高嶋克義
    • 総ページ数
      274
    • 出版者
      千倉書房

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公開日: 2012-07-19  

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