CMの「伝達内容」と広告に対する態度(以下、「Aad」と表記する)の関連に及ぼす「情報的価値」の媒介機能、および、「視聴印象」、「情報的価値」が「Aad」に及ぼす影響力の相違について実証的に検討することを目的に、以下のような研究を行った。 1. 食品CMの内容分析と実験CMの選定 1999年から2007年までの9年間にACC賞を受賞した食品CMの言語メッセージ(音声と文字スーパー)を全てテキスト・データで入力し、テキスト・マイニングを施した。その結果、「おいしさ」「安全性と健康」「簡便性」などのような消費者が食品を選択する際に重視している基準について言語で明確に訴求しているCMは少なかったが、上述の選択基準のいずれかを訴求しいている7本を実験CMとして選定した。なお、食品CMの内容分析の結果については、来年度に文章化する。 2. 視聴実験の実施 学生約480名を被調査者に1.で選定した7CMを用いた視聴実験を行った。具体的には、一室に集めた被調査者に調査票を配布して、「食品選択基準」に関する36項目を4段階評定させた。次に、VTRに録画・編集した7CMを1本ずつ視聴させて、各CMについて(1)「伝達内容」の中に「食品選択基準」に関する項目が含まれていると感じるか否か、(2)「視聴印象」および(3)「Aad」についての合計34項目を7段階評定させた。現在、入力まで終了した。来年度に、解析および論文作成を行う。
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