本年度には今まで研究してきたBPMモデルを修正・補完するとともに、中小企業用のITツールを構築し、中小企業の協力を得ながらITツールの実行可能性の確認を目標とした。特に、本年度の研究目標としてあげた理論研究、中小企業用のBPMのためのITツールの開発については次のような成果を上げることができた。 1.理論研究 理論研究では、各担当者が担当領域を中心に文献研究を進め、研究代表者が統合化を図った。特に、管理会計分野で最近議論されている時間主導型-活動基準原価計算(TD-ABC)の研究成果を踏まえて、当BPMモデルにTD-ABCを適用して原価計算および原価管理が可能なモデルを構築し、日本管理会計学会および韓国会計学会、韓国購買調達学会で研究成果を報告することができた。韓国会計学会で報告した論文は、現在韓国会計学会誌「会計ジャーナル」に投稿中である。 2.中小企業用のBPMのためのITツールの開発 投資資金が不十分な中小企業に適用できる簡易ITツールの開発を目指し、ソフトウェア開発を本職とする当研究の協力研究者の協力を得ながら、中小企業で使える試用の簡易ITツールの開発を行った。中小企業でのパイロットテストまでには至らなかったが、その成果を韓国購買調達学会で報告することができた。
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