研究概要 |
資金会計と呼ばれる領域の理論的・実証的探究をおこなった。キャッシュフロー計算書が主要財務諸表になったことによって,会計の理論的面と実証的側面で重要な研究領域が出現した。理論面では,概念フレームワークの改訂が要請されることになるが,現在(2005年~), IASBの主導でFASBと共同でこの作業が進行している。この作業には,日本の資金会計の発想も取り入れられている可能性がある((2)佐藤, 2012)。実証面では,理論領域で導かれた資金法の損益計算方式にもとづく再計算利益の有用性を検証する作業が重要になる。本研究では,報告利益から(1)資金観にもとづいて裁量部分を除く,(2)エンティティー説にもとづいて株主持分利子を除く,(3)資金観とエンティティー説を結合して,報告利益から裁量部分と持分利子を除く,という再計算を行った場合の再計算利益の株価関係性を分析した。
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