研究課題/領域番号 |
20530412
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
岡本 直之 愛媛大学, 法文学部, 准教授 (60273562)
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研究分担者 |
小淵 港 愛媛大学, 法文学部, 教授 (20136302)
徐 祝淇 愛媛大学, 法文学部, 准教授 (20294506)
岡本 隆 愛媛大学, 法文学部, 准教授 (50314943)
松本 朗 立命館大学, 経済学部, 教授 (70229540)
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キーワード | 上下水道施設 / 維持管理 / 包括的民間委託 / エージェンシー問題 / 社会資本 / 費用構造 |
研究概要 |
本研究は、公営企業として行われてきた上下水道事業経営が民間委託される方向性について、財政学、政治経済学、情報経済学、経営工学の各分野からの研究と融合しつつ、管理会計の視点からとりまとめ、民間委託の官民両面の効率性を確保するための具体的手法を提案したものである。 すなわち、地方自治体の上下水道事業では近年、民間側により多くの権限を委譲した、指定管理者制度や、性能発注による包括民間委託といった新たな民間委託手法が実施されている。これらの取り組みは、一方では行政の負担する事業コストを削減しているが、他方で、十分に考慮しておくべき問題点も多い。それは典型的には、エージェンシー問題であり、また取引コストを発生させている。本研究は、官・民ともにより効率的となるような委託を実施するために必要な要件を見いだし、社会に提案するものである。 平成22年度は、特に日本の平準化生産を代表する自動車の組立作業のラインに着眼して、下水道点検作業を効率的に行うための作業方法や平準化対策を提案し、また、エージェンシー問題については、他の民間委託において既に具体的な問題が生じていることを指摘するとともに、委託者と受託者との間に生じる情報の非対称に起因するエージェンシー・コストを引き下げるためには、委託者が受託者の行動をうまく監視・監督するコントロール方法を検討するか、受託者が委託者に対して自らの行動が適切であることを説明するシグナリング方法を検討するか、あるいはそれら両方を検討する必要があることを提示した。さらに取引コストの観点から標準化の必要性についても指摘した。
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