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2009 年度 実績報告書

<悪>のグレースケール形成に関する社会学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20530440
研究機関山口大学

研究代表者

高橋 征仁  山口大学, 人文学部, 准教授 (60260676)

キーワード青少年 / 道徳意識 / 社会化 / 非行 / 悪 / 領域固有性
研究概要

平成21年度は、これまでの理論モデルの再検討を行うとともに、国際的な比較調査を展開するためのインフォーマント調査及びプリテストを実施してきた。A2~D2の研究計画におけるその具体的成果は、以下のとおりである。
A2: 先行研究および理論モデルの検討、経験的仮説の決定、調査結果に基づくモデルの改訂を行う。
これまでの研究成果が、J.HaidtやE.Turiel、L.Nucci、J.Smetanaらの知見と符合していることが判明した。このことは、悪のグレースケール形成が、かなりの程度、普遍的な基礎をもつことを意味している。これによって、青年期における相対主義の揺らぎ(悪のグレースケール形成)を、社会道徳的モジュールの分化プロセスとして位置づける理論的・経験的モデルを確立することができた。
B2: 縦断的調査データに基づいて、悪のグレースケールの発達的生成と時代的変容を明らかにする。
日本の縦断的調査データを利用して、グレースケールの発達的生成と時代変容を明らかにした。グレースケールの時代変容は、個人的領域の規範に関する急激な発達的変化を媒介として生じていることがわかった。性に関する時代変化については、2本の論文を執筆した。また、喫煙規範に関する論文は現在査読中である。
C2: 比較文化的調査研究によって、悪のグレースケール形成に関する文化的共通性と差異を明らかにする。
既存の台湾調査のデータを利用して、社会道徳的モジュールと分化プロセスの共通性を明らかにした(アジア太平洋教育社会学会)。また、それぞれのモジュールの外延に関する差異も明らかにした。また、台湾やスウェーデンにおける学会発表を利用して、グレースケール形成に関するインフォーマント調査とプレテストを行った。
D2: 悪のグレースケールの知見を、学校での道徳教育や矯正教育、裁判員制度などへの応用可能性を検討する。
悪のインデックスの多元性や複合性を利用した道徳教育の可能性について、学会発表を行った。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (8件)

  • [雑誌論文] 社会統計でみる<草食系男子>の虚実~欲望の時代からリスクの時代へ2010

    • 著者名/発表者名
      高橋征仁
    • 雑誌名

      現代性教育研究月報 28巻1号

      ページ: 1-7

  • [雑誌論文] <男らしさ>の行方~青少年の性行動における記号化と分極化2010

    • 著者名/発表者名
      高橋征仁
    • 雑誌名

      性の健康 18巻2号

      ページ: 33-39

  • [雑誌論文] A Comparative Survey of Adolescent Relativism : Variance and Invariance of Moral Developmental Sequence2009

    • 著者名/発表者名
      Masahito Takahashi
    • 雑誌名

      The 2009 Asia-Pacific Forum on Sociology of Education : Conference Proceedings (National University of Tainan)

      ページ: 821-824

    • 査読あり
  • [学会発表] 大学生の時間意識に関する日中比較研究2010

    • 著者名/発表者名
      辻正二
    • 学会等名
      第23回山口地域社会学会研究例会
    • 発表場所
      山口大学
    • 年月日
      2010-03-06
  • [学会発表] 大学生における時間的展望と時間感覚~あくせくとまったり~2010

    • 著者名/発表者名
      高橋征仁
    • 学会等名
      山口大学イブニングセミナー2009 (招待講演)
    • 発表場所
      東京工業大学・キャンパスイノベーションセンター
    • 年月日
      2010-01-08
  • [学会発表] 道徳的社会化論の展開~内面化モデルから構造モデルを経て、免疫系モデルヘ2009

    • 著者名/発表者名
      高橋征仁
    • 学会等名
      第118回日本社会分析学会
    • 発表場所
      九州大学
    • 年月日
      2009-12-19
  • [学会発表] 迷走する社会化の理論2009

    • 著者名/発表者名
      高橋征仁
    • 学会等名
      第22回山口地域社会学会研究例会
    • 発表場所
      山口大学
    • 年月日
      2009-11-14
  • [学会発表] 社会化研究における免疫モデルの可能性~規範意識における〈しなやかさ〉の測定2009

    • 著者名/発表者名
      高橋征仁
    • 学会等名
      第61回日本教育社会学会大会 テーマ部会
    • 発表場所
      早稲田大学
    • 年月日
      2009-09-11
  • [学会発表] Orality and Literacy : The New Sexuality Gap among Japanese Youth2009

    • 著者名/発表者名
      Masahito Takahashi
    • 学会等名
      The 19th Congress of the World Association for Sexual Health
    • 発表場所
      Sweden:Goteborg Convention Center
    • 年月日
      2009-06-21
  • [学会発表] A Comparative Survey of Adolescent Relativism : Variance and Invariance of Moral Developmental Sequence2009

    • 著者名/発表者名
      Masahito Takahashi
    • 学会等名
      The 2009 Asia-Pacific Forum on Sociology of Education
    • 発表場所
      台湾:National University of Tainan
    • 年月日
      2009-05-07
  • [学会発表] 青年期の相対主義に関する日台比較研究2009

    • 著者名/発表者名
      高橋征仁
    • 学会等名
      淡江大学学術講演会
    • 発表場所
      台湾:淡江大学
    • 年月日
      2009-05-05

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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