本研究は、人々がどのようにして、様々な〈悪〉の観念を分別し、理由づけ、序列化していくのかについて、社会学的な見地から実証的に明らかにすることを目的としている。 (1)広範な〈悪〉の観念に着日することで、道徳意識の多元性と重層性を理論化する。 (2)縦断的調査研究によって、〈悪〉のグレースケールの発達的生成と時代的変容のプロセスを明らかにする。 (3)比較文化的な調査研究によって、〈悪〉のグレースケール形成をめぐる文化的共通性と差異を経験的に明らかにする。 (4)〈悪〉のグレースケール形成についての知見を、学校での道徳教育や矯正教育、裁判員制度などへ応用する可能性を検討する。
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