撮影対象地域である大阪生野コリアタウンで、2009年度の映像収録を行った。2009年度は、従来の方法に加えて、より高性能なスタビライザーを使用して、安定した映像の収録を試みた。 つぎに、2008年度、2009年度において現地で収録した映像をターゲットとして、多様な読み手による映像の読み取り作業を実施した。読み取り作業自体が、本研究における重要な課題となっているため、読み手の選定に当たっては、その専門領域の多様性を考慮し、また、当該地域で生活する多様な文化的背景を有する当事者から在日コリアンの1世世代、2世世代を中心に被験者の抽出を行った。 同時に、比較対象として、韓国の研究教育機関(ソウル大学校)の協力を得て、ソウル大学校での映像上映を行い、ソウル在住の韓国人日本研究者による読み取りも並行して行った。さらに、研究に協力いただいたソウル大学の文化人類学研究者を招聘し、対象地域での現地フィールドワークを行った。 これらの読み取り過程をビデオカメラで収録し、記録映像を対象に文字化する作業を行った。結果として、15サンプルの読み取りにかかるテクストを得ることができた。 2010年度は、読み取り作業をさらに広げるとともに、その分析を順次行う予定である。
|