(1)本研究では、これまで研究代表者が継続して行ってきた中国(大陸)研究を基礎とし、同じ中華圏における台湾の高齢者福祉の現状とその背景を明らかにすることを一義的目標としている。 (2)現地調査によって得られた知見に基づき、本研究期間内に社会主義体制とは異なる台湾の政治枠組みが、どのように社会保障制度を整備し、今後どのような方向性をたどっていくのかを高齢者福祉に焦点をあてて解明していく。 (3)とくに台湾独自の問題として存在している福祉施設における外国人ヘルパー問題、また日本植民地時代に設置されたハンセン療養所の直面する入所者の高齢化など、多角的な方面から台湾の高齢者福祉に焦点をあてる。 (4)長期的には、中国大陸や日本社会との比較から、福祉分野における儒教文化圏の変動様態を抽出することを目指す。
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