最終年度にあたる22年度については、研究成果の報告ならびに将来的な出版の準備作業、さらには補完的な調査の実施に充てられた。 研究成果はコルシカ島の文化、特に映像文化・表現文化の近年の形成過程について、フランスおよびフランス語圏の政治社会状況を背景に明らかにしたものを、6月、国際島嶼文化会議(イギリス)にて英語で発表を行い、高い評価と関心を得た。この報告については国内の学会誌にはなるが、そのまま英語で論文として公表する予定である。 将来的な出版については、日本フランス語教育学会の枠内であるが、フランス語圏の地域およびその言語文化に関する事典、とわが国初となる「フランス語圏研究」に関する研究書の刊行の2点を準備しており、これまでに行った調査およびその資料の分析成果が反映されることになる。 上記のため、先の年度では入手できなかった資料、さらなる分析の正確さのために必要な補足的資料を上述の国際会議の際の渡仏、渡英時、およびインターネット等による入手で補完し、より正確かつ詳細なデータを得ることができた。 これらは、上記の出版にも反映され、日本におけるフランス語圏研究の本格的な進展に大いに資することになると考えられる。
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