すでに収集してある新潟県中越地震・中越沖地震関係の調査資料の整理・分析を行った。また補充調査として、中越地震被災地の小千谷市旧十二平で、集落集団移転に関する聞き取り調査を行い、長岡市では支援活動を行ったNPO法人「になニーナ」の聞き取りを行った。中越沖地震被災地では、柏崎市のいくつかの民間団体メンバーから、被災時の支援に関する聞き取り調査を行った。 さらに、東日本大震災と原発事故による福島県からの広域避難者を、中越地震・中越沖地震の被災地である長岡市・小千谷市・三条市・柏崎市の人びとが受け入れた状況を、行政・民間の関係者に聞き取り調査した。その結果、避難者の受け入れに関して、過去の震災経験が活かされていることを明らかにした。 本研究による4年間の研究成果の全体を著書(単著)『震災・復興の社会学-2つの「中越」から「東日本」へ』(リベルタ出版)にまとめ、公刊した。その中で、地域内の社会関係の価値の再認識と被災地外の諸主体との連携による地域内社会諸関係の再構築の諸相を明らかにした。なお、本書の構成は下記の通りである。 序章震災経験の継承1章被災集落再生への歩み2章災害とジェンダー~変わらない役割/超える試み~3章被災生活と地域のつながり~2つのアンケート調査から~4章防災コミュニティの可能性5章経験をつなぐ~東日本大震災と新潟~終章「つながり」の再生
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