(1)近年繰り返されてきた地震災害は、日本の中山間地において進行中の種々の問題-高齢化・過疎化・限界集落化-を劇的な形で顕わにした。しかし災害は、集落の衰退や消滅を加速する側面がある一方で、地域内の社会関係の価値を再認識させ、また被災地外の諸主体との新たな連携により地域内社会諸関係を再構築していく面をもつ。 (2)本研究は、被災と復興の過程における近隣関係の再評価や外部の民間やNPOなどの多様な諸主体との連携が、被災地内の種々の社会関係に影響を与え、関係の対自化を促し、それを更新していく様を事例研究にもとづいて具体的に明らかにしていく。そこに災害被災地の復興、さらには中山間地の再生の新たな可能性を探る。
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