・ 2009年6月に直島、7月に豊島で離島の生活環境や地域課題に関する意識調査を実施した。選挙人名簿と電話帳から無作為抽出した成人男女285名(豊島)、305名(直島)に対して郵送法で調査票を配布し、豊島163票、直島250票の回収を得た(単純集計結果冊子にまとめ、現地にお返しした)。また、意識調査と平行して豊島と直島の環境事業や生活状況に関する聞き取り調査を継続的に行った。これらの調査から得られた成果のうち、豊島事件後の地域再生をめぐる環境対策と過疎対策の関係についてとりまとめ、「離島における環境再生-香川県豊島を中心に-」という題目で地域社会学会大会で報告した。また、この報告に依拠して論文執筆した(2010年5月刊行予定)。 ・ 香川県の離島、および瀬戸内地域(香川、徳島、愛媛、岡山、広島)と阪神地域(兵庫、大阪)の社会経済統計データの収集と整理し、それを地図化する作業に着手した。この作業は離島社会の現状、および離島とマクロな社会経済情勢の関連性を可視的に表現することを目的とするものであり、上述の事例研究にマクロ社会学的な含意を付与するという点で重要性をもつものである。現在は人口や産業立地に関わるセンサスデータをエクセル整理する作業を行っているが、今後はそれ以外の統計データにも目配りし、来年度半ばを目途に瀬戸内・阪神地方の基礎的な社会地図を完成させる予定である
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