研究概要 |
産後入院期間は短縮化傾向にあり、筆者が行った調査でも経腟分娩は5~6日であり、約10%の施設は4日以内と設定していた。入院期間の短縮で、母親や家族に対する支援を提供する機会が少なくなることは否めない。そこで、産後4か月未満の乳児をもつ母親が望む産後支援形態についてインターネット調査を行い、産後支援の在り方を検討した。対象は生後4ヶ月未満の乳児を持つ母親であり、順序型の回答法を採用で用いた属性と水準は、退院後支援形態:産後ケア施設、訪問看護、産科外来、期間・頻度・時期:多い、少ない、費用:高め、低め、支援内容:産後の生活、母体の休養、新生児のケアである。4つの属性と水準の組み合わせは54通りあるが、直行配列表により9種を用いた。各属性の相対重要度を知るためにコンジョイント分析をSPSS Statistics18.0を用い、属性毎の部分効用は最小二乗法により推定した。結果、516名(初産婦・経産婦共に258名)より回答があり、退院後支援を受けた人は494人(95.7%)で、ほとんどは実母と夫からで、期間は4週間以上が約半数であった。支援で最も重要とした属性は「退院後支援形態」であり、「主な支援内容」「期間・頻度・時期」「費用」の順であった。水準は、「退院後支援形態」では"産科外来受診"、次いで"訪問看護""産後ケア施設"。同様に「主な支援内容」では"生活・育児・授乳指導"、「期間・頻度・時期」では"少ない"、「費用」では"安い"であった。初経産婦別にみると、経産婦は「主な支援内容」では外来受診では望めない"母体の休養・養生"を好んでいた。母親達が望む退院後の支援の組合せは、『産科外来を2週間以内に1回受診し、費用は5,000円から10,000円、産後の生活・授乳・育児指導を受ける』であった。
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