当研究に関連する先行研究では、映像データ、特にテレビ映像分析の手法にかかわる研究を展開し、分析対象となるテレビ映像資料を体系的に収集することを試みた。それらは、映像分析の手法について比較文化的に探求するという目的のためには必要十分な数量であったが、個人で収集可能な映像素材数には限界があり、ある程度の分類上の体系性こそ確保されたものの、膨大な映像資料を徹底的かつ網羅的に収集するには至らなかった。 継続する当研究では、より体系的で網羅的な映像アーカイブ構築を目標として、それに必要な諸条件の検討、基礎的研究を継続的に行う。まず、期間と分野を限定して、映像資料の網羅的データ収集を試みる。収集された映像データは、随時分析資料としても活用しつつ、より効率的で研究・教育目的に特化した映像アーカイブのあり方を模索する。最終的には、公的映像アーカイブス施設の設置を目標とした研究者・研究機関ネットワークを拡大し、望ましい映像アーカイブスのデザインの提言を目指す。
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