研究概要 |
世界的には、ジェノサイド比較研究のプロジェクトの数は増加しつつあるものの、やはり非常に限られた数でしかない。発表された報告書のほとんどが、個別の事例研究を比較するものであり、理論的な報告書は非常に少なく、内容も充実しているとはいえない。この研究計画では、理論的に重要な報告を盛り込み、有用な分析モデルを創り出すものである。 20年度は、カンボジアと中央アフリカ(ルワンダ、ブルンジなど)における大規模のジェノサイドにおけるジェノサイド後の司法処置、さらにジェノサイド性のある多数の戦争事例について情報収集・インタビューを行った。 カンボジアにおいては、地元NGOや国際NGOのメンバーと面会をし、主にクメール・ルージュの虐殺とその心理的影響や70,80年代の大量虐殺について話をした。またクメール・ルージュ時代の重大犯罪を裁くカンボジア特別法廷(ECCC)のメンバーに対してもインタビューを行った。 中央アフリカにおいては、ルワンダにおいてガチャチャ法廷の複数の関係者との面会、情報収集を行った。またブルンジにおいてはブルンジ内戦のキーパーソンであったブヨヤ、ンティバントゥンガニャ元大統領や研究者NGOのメンバーからのインタビューを行った。
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