1)ジュネーブにある国連本部での「先住民族の権利に関する専門家機構(EMRIP)」第4会期会議(2011年7月11日~15日)に出席。第5部会で『先住民族権利「宣言」から「協約」への移行について』と題する発表を行い、非政府国際機構の指導者であるVerena Grafから非常に貢献度の高い発表であったとの評価を得た。発表の中の提言は、国連人権理事会などでも検討されている。 2)東アフリカにおける海賊行為の現地調査は、年度当初に実施したソマリア沖の調査結果からも継続調査の必要性が高かったため、23年度は集中的に東アフリカ各地で調査を行った。ソマリランドでは伝統的権力者が暴力行為や違法行為の防止に貢献しているが、南ソマリアやプントランドでは20年におよぶ無政府状態により海賊行為を抑え込むにいたっていない。モザンビークでは、ペンバ港において大きな被害があった。またイボ島や北部の海岸で海賊の活動が報告されている。コモロ諸島は海賊の被害を多く受けているが、現地政府の対応は始まったばかりである。組織化された沿岸警備隊もなかったが、マダガスカル政府の援助を得て、コモロ諸島4島から隊員を集め訓練が開始された。海賊問題の調査は安全上の問題があるが、海賊問題を抱える国々へ提言可能な構造的分析が必要とされている。 3)エチオピアにあるアフリカ連合本部において、i.ソマリア南部の海賊問題、ii.スーダン問題、iii.ギニアビサウ共和国の麻薬問題、iiii.リビアの傀儡政権、v.国連の介入によるコートジボワールの安定などについて意見交換を行った。
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