20年度の調査により、日本の漆器産業の高度化の現実とその産地による偏差について明らかにできた。また、その漆器産業の高度化による産地社会への影響について、やはり産地ごとの偏差があることについて明らかにできた。ただ、その偏差が生じる背景や理由については、21年度以降の調査によって分析を深めていきたい。 また、同調査によって、漆器産業の高度化にもかかわらず、産地社会が衰退している現実や、後継者の養成をはじめとして、その衰退を解消していく担い手の形成がどの産地でもなかなかうまくいっていない現実を明らかにできた。21年度以降の調査によって、そのより一層の具体的な調査と分析を深めたい。 また、同調査によって、産地社会に生きる経営者や職人層がおかれているは厳しい生き残り状況が明らかにできた。生き残りわ左右する大まかな条件の具体的な千代宇佐と分析は、21年度以降の課題である。 総じて、産地社会の従来からの生産分業体制が固く生き続けているところでは、個々の職人層間の競争がまだまだ弱いままに置かれていること、逆に、産地の生産分業体制が弱くなっているところでは、職人層の生存起用そうが激化しながら、多様な製品開発が急速に進んでいることを明らかにしえた。
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