本研究においては、アメリカ合衆国カリフォルニア州をフィールドに設定し、とりわけサービス産業において移民労働者の組織化を積極的に進めているローカル組合、労働者センター(worker center)および労働NGOを対象にしてインタビュー調査を行い、グローバル化のもとにおける労使関係の変化の一端を明らかにしたい。その際、調査研究のポイントとなるのは、以下の諸点である。すなわち、(1)移民労働者の社会的ネットワークが労働組合や「労働者センター」にどのように、またどの程度動員されているのか、(2)そうしたネットワークが動員されているとすれば、労働組合および労働者センターにどのような影響を与えるのか、(3)労働者組織のトランスナショナルな連携はどの程度進められているのか、またそれは移民労働者のネットワークとどのように関連しているのか、という点である。
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