研究概要 |
本研究は、中国、韓国の研究チームの協力を得て進められている。平成21年度は、前年度から続けた各国の分担分析研究の成果を持ち寄り、平成21年7月末に、東京(上智大学)において日本、中国、韓国の3カ国の研究チームが結集した国際研究会議を開催し、一定の到達点を確認するとともに、さらなる洗練発展のための討論を行った。その後、国際研究会議の成果を各国チームが持ち帰り、分析作業を深化させた上で、年度末に英文論文集としての報告書をまとめる作業を行った。この間、海外の研究協力チームの分析作業がデータ上の齟齬の確認作業などのため遅れるなど国際連携に若干の乱れが生じた。この分析作業なくして、本研究が目指す比較研究は成り立たないため、印刷経費の執行が2ヶ月ほど次年度に繰り越されたが、15本の論文からなる、Family Structure and Relations in Japan, China, and Korea : Collaborative Exploration of Micro-level Datasets. (ed.by Kunio Ishihara)を作成し、研究者コミュニティに提供することができた。 各国のミクロデータを共同利用して実証的に国際比較を行うという方法は従来にない新しさであり、その中で興味深い知見も得られているので、次年度においてさらに手を加えた上で、英文図書として編集し、刊行助成を申請できるものに仕上げていくという、具体的な展望が開かれたという点でも、成果が上げられたと言って良いだろう。
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